
①淀川登山口~荒川登山口

太鼓岩からの絶景
屋久島縦走の基本コース
ジブリ映画「もののけ姫」を描く際のイメージモデルになったと言われる屋久島。その代表的なスポットが宮之浦からほど近い白谷雲水峡です。

苔むす森までなら往復2時間半~3時間
一歩足を踏み入れれば苔の森
さくっと立ち寄りたいのなら入り口から「二代大杉」まで往復1時間前後を歩くだけでも苔むした森の雰囲気を味わえるでしょう。体力と時間に余裕があれば「奉行杉コース」からの「太鼓岩コース」など、時間の許す限りじっくりと屋久島の森を満喫して下さい。
※白谷雲水峡は雨天時、沢の増水によりコース制限されることが頻繁にあります。出発前に下記サイトより、「白谷雲水峡 お天気情報」を必ずご確認下さい。

雨の日こそ森は美しい

白谷雲水峡へのアクセス
宮之浦から車で15分~20分、又は路線バスを利用。
②花山歩道~永田岳

ウィルソン株内部
日の出から日没まで
縄文杉を見るためには8.5kmのトロッコ道と2.5kmの大株歩道、合わせて片道11kmの道のりを歩かなければいけません。
日帰りトレッキングなら、ひたすら早足で歩き続けて往復7時間前後。ガイドツアーで10時間~11時間程かかります。途中には「ウィルソン株」や「大王杉」、「トロッコ道」といった屋久島を代表する景観が目白押しで、丸一日がかりの行程も飽きることなく楽しめるでしょう。

雨中の縄文杉
縄文杉が「つまらない」も「楽しい」もあなた次第
道は適度に整備されており、シーズン中は人も多いので必ずしもガイドツアーに参加する必要はありません。体力に自信があり、縄文杉を見たいだけなら個人だけでも十分可能でしょう。
しかし、例えツアーへ参加したとしても普段歩きなれていない方がいきなり往復22kmを歩くのはとても大変です。帰り道には足が痛くなり、苦行のように感じるかもしれません。
せっかく時間とお金をかけて屋久島へ来たのなら、「杉を見ただけ」ではなく楽しい一日にしたいものです。そのためには事前の足慣らし・体力づくりが必須と言えるでしょう。

トロッコ道を歩く

荒川登山口へのアクセス
安房の「自然館前駐車場」からシャトルバスで約35分。もしくはタクシーを利用。
シャトルバス料金:大人片道700円、中学生以下350円
※12月~2月は車でのアクセス可能。ただし積雪に注意。
③ヤクスギランド~花之江河

天文の森・釈迦杉は樹齢2000年とも言われる
訪れる価値のある森
名前がダサいことで知られるヤクスギランド。初めてその名を聞いた人の大半はテーマパークか何かだと思い、全く興味をそそられることはないでしょう。
しかしその歴史は古く、昭和46年に自然休養林として制定された屋久杉の原生林なのです(白谷雲水峡は昭和48年制定)。奥へと進めば人の気配もほとんどなく、緑に覆われた苔の景色や美しい沢、巨木の広がる森を心ゆくまで散策でき、名前から受ける印象とは全く違った感動を味わえることでしょう。

白谷雲水峡が雨で行けない時の代替にも
屋久島の森を歩こう
雨の日は白谷雲水峡の「苔むす森」や「太鼓岩」がコース制限により行けないかもしれません。そんな時でもヤクスギランドは比較的コースが解放されています。
よく整備された「ふれあいの径コース(30分)」から本格的な「天文の森コース(210分)」まで、こちらも体力に応じて様々なトレッキングができるので登山に興味のない方にもおススメ。30分コース・50分コースなら、全面木道が敷かれているので普段着のまま屋久杉や苔の森を楽しめます。
さらには車で約10分離れた道路沿いにある「紀元杉」や往復2~3時間の「淀川トレッキング」など、この付近だけでも見どころは尽きません。
※天候によって沢が増水したり登山道が危険な状態になることもあります。出発前に下記サイトより、「今日のヤクスギランド」をご確認下さい。

せっかくなら紀元杉まで足をのばして

ヤクスギランドへのアクセス
安房から車で30~40分。又は路線バスを利用。
※バスの停留所及び発着時間は下記の時刻表を確認して下さい。
④永田歩道~永田岳

一枚岩を舐めるように流れる滝
夏には水着を用意して
晴れた日にプライベートで登るなら、真っ先に候補に挙がるのが蛇之口滝トレッキング。
尾之間温泉横の登山口から出発して、南国特有の亜熱帯林や苔に覆われた沢を横目に歩いて行くと突如目の前が開けて巨大な滝が姿を現します。
往復2時間半~4時間ほどで急な傾斜はなく、沢沿いを緩やかに登って行くので体力に自信の無い方や小さなお子様を連れた家族連れにも最適。夏休みを満喫するなら必ず訪れたい場所の一つです。

変化にあふれた登山道
盛り沢山の一日
7月~9月までなら滝壺へ飛び込んで泳ぎましょう。屋久島の沢は非常に透明度が高く美しいので、夏休みにはあちこちで地元の子供たちが川遊びをしています。もちろん蛇之口滝もよく知られているものの、わざわざ山を登ってくる人は少なく滅多に混雑はしないでしょう。
エメラルドグリーンの広い滝つぼを貸切状態なんてことも珍しくはないので、意外な穴場スポットかもしれません。
さらに下山すれば目の前はすぐ温泉。源泉かけ流しの尾之間温泉は泉質も良く、地元集落の人々にとっての憩いの場として愛されています。
15時半までに下山すれば、隣の「サロン湯の峰」でまったり過ごすのも幸せなひと時。豆乳ソフトクリームや抹茶フロートは絶品の味わいで、このためだけに立ち寄るのも良いでしょう。
登山後の楽しみ(上:無料の足湯 下:抹茶フロート)


登山後の楽しみ(左:無料の足湯 右:抹茶フロート)

尾之間温泉へのアクセス
車か路線バスを利用。
(バス停「尾之間温泉入口」より徒歩5分)
尾之間温泉について
営業時間:午前7時~午後9時(月曜日のみ午前12時から)
料金:300円
⑤楠川歩道~尾之間歩道(0 to 0)

何時間でも眺めていられる
屋久島一の清流
蛇之口滝と並んで島民に人気のトレッキングスポットが、淀川登山口から片道一時間弱の淀川です。
いつも穏やかで透き通った水の流れる景観は、数ある屋久島の沢の中でも屈指の美しさを誇ります。
よく晴れた日には「かもがわ」の竹の葉弁当を持ってピクニック気分で向かいましょう。川岸に腰掛けてゆるやかに流れる川を見つめていれば、時間が過ぎるのも忘れてしまいます。

光の角度で刻一刻と変化していく水色
川沿いには淀川小屋とトイレも
淀川登山口は宮之浦岳登山や屋久島縦走の一般的な出発地点でもあります。
登山口から小屋まで多少のアップダウンはあるものの、標高はほとんど変わりません。縦走であればのんびり登山口を出発して、小屋で一晩過ごすのも良いでしょう。
淀川小屋へ昼過ぎに到着しても、気持ちの良い森の中で過ごしていればあっという間に夕方。川を渡ればすぐに急登が始まるので、翌日に備えて英気を養って下さい。

どの時期に訪れても美しい

淀川登山口へのアクセス
安房から車で50分~1時間、又は路線バスを利用。
(バス停「紀元杉」より徒歩約30分
※バスの停留所及び発着時間は下記の時刻表を確認して下さい。
⑥西部林道ハイキング

森を抜けて海へ向かう
屋久島一の動物王国西部林道
非常に多くの猿と鹿が生息していることで有名な西部林道は、屋久島定番の観光スポットです。
島全体の約2割しかない世界自然遺産登録地域にも含まれているので、登山に興味のない方でも必ずといっていい程ここへは訪れるでしょう。
しかしせっかくの屋久島で森に入らないなんてもったいない。自らの足で歩き森のにおいや動物の気配を感じることで見えてくるものがきっとあるはずです。

ヤクシカはかわいい
一歩足を踏み入れれば苔の森
西部林道の歩き方は様々。車道だけで約17km続く広大な土地なので、どのように歩くも自由です。
ただし整備された登山道はありません。踏み跡を辿るにしても、獣道も多く電波も入らない場所なので初心者だけで森に入るのは止めた方が良いでしょう。
ガイドツアーでいつも訪れる半山地区ではアコウやガジュマルの大木に樹上植物のオオタニワタリが着生する亜熱帯林や、約50年前まで存在した集落跡など興味深い見どころが多くあります。

ガジュマルの巨木

西部林道へのアクセス
車が必要。林内を歩くのは主に「半山地区」か「川原地区」だが、明確な登山道が無いためガイドツアーへの参加がお勧め。