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山の服装
CLOTHING
登山中に過ごしやすい、基本的な服装を紹介します。運動に適した服装であれば必ずしも登山専用のものである必要はありません。なるべく登山初心者の方に揃えやすく、金銭的に負担の少ない製品を紹介します。こちらで紹介している装備は、登山シーズンにおける屋久島でのノーマルルート(縄文杉や宮之浦岳等)、及びガイドが同行していることを前提とします。
屋久島の気温
屋久島は年間を通して比較的温暖な気候の土地ではありますが、市街地と山間部では気温が大きく異なります。標高が100m高くなると0.6度気温が低下し、山中では4月に雪が降ることもあります。また突然の寒波襲来や局所的な豪雨など、天候が急激に変化することもありますので常に防寒着を携帯しておきましょう。
【春(3月、4月)】
基本的には寒い~涼しいくらいの気温なので、ベース着一枚になることはあまりありません。雨に濡れると低体温症になる恐れがあるので、必ず防寒着と登山用のしっかりした雨具を用意しましょう。
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縄文杉付近の気温 :2度~15度
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宮之浦岳山頂の気温:-3度~10度
【GW~梅雨(5月、6月)】
だんだん暖かくなってきますが、雨や曇りの日が多くまだまだ朝晩は肌寒い時期です。とはいえ晴れると蒸し暑さも感じるので、日中はTシャツ一枚で十分なことが多いです。薄着から防寒着までしっかりと用意し、幅広い気温に対応できるレイヤリング(重ね着)を心がけましょう。
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縄文杉付近の気温 :10度~20度
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宮之浦岳山頂の気温:5度~15度
【夏(7月、8月、9月)】
暑いです。とはいえ、登山口出発時の朝6時前後はまだ涼しいので薄手の上着を用意しましょう。
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縄文杉付近の気温 :15度~25度
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宮之浦岳山頂の気温:10度~20度
【秋(10月、11月)】
夏の暑さが和らぎ、すごしやすい気候になってきます。4月、5月の気温と同じくらいですが、日によって急激に寒くなるなど変化が大きいので、フリースなどの防寒着を必ず用意して下さい。
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縄文杉付近の気温 :5度~17度
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宮之浦岳山頂の気温:0度~12度
【冬(12月、1月、2月)】
縄文杉までは冬季でも登山可能ですが、寒波が来れば雪が積もることもあります。行動中もフリースを着ていることが多いでしょう。冬は登山客が極端に少ない上に日照時間が短く、天候が悪ければ簡単に遭難事故が起こります。低体温症等の事故を防ぐため、必ず登山用のしっかりとした装備をお持ち下さい。
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縄文杉付近の気温 :0度~8度
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宮之浦岳山頂の気温:-5度~4度
基本の服装
【必読①】
縄文杉や宮之浦岳を目指すには一日10時間以上歩きます。早朝のまだ肌寒い時間から太陽の照りつける日中、そして夕暮れ近くまで気温は刻一刻と変化していきます。様々な気温の変化に対応できるよう、重ね着で体温を調整しましょう。また、服の素材は必ず化学繊維(ポリエステルやナイロン)を選び、天然繊維(コットン、リネン等)は避けて下さい。
※ヒートテックに使われる素材レーヨンは、汗をかきやすく乾きにくいので登山中に着てはいけません。(キャンプツアーの際に小屋内で過ごすための寝巻であれば可。)
まずはベース+行動着+防寒着+レインウェアの4点を揃えるのが基本です。組み合わせ次第で様々な天候に対応することができます。
例:「Tシャツ+薄手パーカー+ライトダウンジャケット」or「Tシャツ+長袖シャツ+フリース+レインウェア」等
【必読②】
初心者にはユニクロやワークマンの安価でかつ日常でも使いやすい製品が良いでしょう。特に最近のユニクロはレインウェア以外は登山に適した製品がそろっているのでお勧めです。
※下記の商品は一例であり、これを買わなくてはいけない訳ではありません。Amazon、無印良品でもスポーツに適した服はいくらでもありますし、スポーツブランド、登山専門ブランドの製品ならさらに快適かもしれません。「こんな感じの服が良い」という参考にして下さい。
また季節ごとの屋久島では、月ごとに製品を分けて紹介していますのでそちらも一緒にご覧下さい。
【ベース】
肌に触れるベースの服には、基本的に化繊かウール素材の「Tシャツ」を着て下さい。ベースにトレーナーやセーターを着ている方もいますが、天気が良いと登山中に暑くて汗だくになってしまいます。またベースが肌着で上着が脱げなければ同じことです。どんな季節でも、屋久島登山ではベース一枚になることを想定して下さい。
※冬~春先の寒い時期は、化繊の服でも大量の汗をかくと乾くまでに寒さを感じます。汗をかきやすい方は着替えを一枚用意しておくと安心です。
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ドライEXクルーネックTシャツ(ユニクロ)
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メリノウール半袖丸首シャツ(ワークマン)
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メリノウール長袖丸首シャツ(ワークマン)
【行動着】
ベースの上に着て体温を調整します。気温と天候に応じて薄手から厚手まで様々なバリエーションがありますが、ソフトシェルと呼ばれる通気性・保温性・撥水性等を備えたものが良いでしょう。
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ウルトラストレッチドライEXフルジップパーカ(ユニクロ)
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エアリズムUVカットメッシュパーカ(ユニクロ)
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ポケッタブルUVカットパーカ(ユニクロ)
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ドライストレッチフルジップパーカ(ユニクロ)
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ブロックフリーストレッキングハーフジップ(ワークマン)
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耐久撥水アーバンシェルジャケット(ワークマン)
【防寒着】
フリースまたはライトダウンジャケット等。夏はコンパクトに収納できるダウンを持っているといざという時に役立ちます。12月~3月のキャンプツアーではフリースとダウン等、2枚の防寒着があると夜も安心です。
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ウルトラライトダウンジャケット(ユニクロ)
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パフテックパーカ(ユニクロ)
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フリースフルジップジャケット(ユニクロ)
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ファーリーフリースフルジップジャケット(ユニクロ)
【レインウェア】
屋久島の登山では一日中雨に降られることもあります。ビニールの雨具や撥水性しかない素材は長時間の雨に耐えられず、最終的に辛い思いをすることでしょう。必ず適切な防水性・透湿性を備え、長時間の雨に耐えうるものを選んで下さい。
※下記「イナレムストレッチレインスーツ」、「イナレムレディースレインスーツ」はワークマン製品で唯一登山用レインウェアと認められる性能です(透湿度25000g/㎡/24h、耐水圧20000mm)。ただし耐久性は高くないので、登山に使用する際は新品又はそれに近いもの使うと良いでしょう。またそれ以外のワークマンレインウェアは全て登山に適していませんのでお気をつけ下さい。
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ベルグテックEXストームセイバー(ミズノ)
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イナレムストレッチレインスーツ(ワークマン)
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イナレムレディースレインスーツ(ワークマン)
【トレッキングパンツ】
春・秋の肌寒い時期は中厚手のロングパンツを履くか、防寒タイツやレインパンツを併用しましょう。気温と湿度の高い夏は半ズボンがお勧め。ジーンズは絶対にダメです。
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ウルトラストレッチドライEXテーパードパンツ(ユニクロ)
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ウルトラストレッチドライEXジョガーパンツ(ユニクロ)
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ウルトラストレッチエアリズムジョガーパンツ(ユニクロ)
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ドライストレッチスウェットパンツ(ユニクロ)
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アクティブユーティリティショーツ(ユニクロ)
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エアロストレッチ ウォームクライミングパンツ(ワークマン)
【登山靴、トレッキングシューズ】
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高耐久シューズ アクティブハイク(ワークマン)
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アクティブハイク サミットハンター(ワークマン)
※上記シューズに防水性はありませんのでお気をつけ下さい。
【防寒タイツ(冬季)】
ワコール等の機能性タイツではなく、冬に使う防寒用タイツを紹介します。平地の気温が10度を下回る日にはトレッキングパンツの下にタイツを履くと安心です。
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メリノウールロングタイツ(ワークマン)
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ウォームボアタイツ(ワークマン)
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ヒートテックウルトラウォームタイツ(ユニクロ)
※ユニクロのヒートテックタイツは冬〜春のキャンプ泊時にあると良いでしょう。小屋内の気温が一桁になると厚手のタイツかダウンパンツが無いと非常に寒さを感じます。
【帽子・手袋(冬季)】
暖かいニット帽や防水の手袋がお勧め。
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防寒テムレス手袋
※雨の多い屋久島では冬の手袋にも防水機能があると安心です。逆に暖かい時期に手袋は必須ではありません。念の為軍手を持ってくるのは構いませんが、ゴム手袋は運動中に蒸れて使い物にならないでしょう。